痛風
手足の関節に突然の激痛
肥満ぎみの営業部長Cさん(47)は精力的な人で、仕事もよくできるとの評価だ。二日前から気分がすぐれず、風邪だと思っていた。昨夜、突然足の親指の付け根に非常に強い痛みが出現し、一晩中眠れなかった。引き裂くような強烈な痛みで、布団に触れるだけでも痛い。よく見ると赤くなって腫れている。これが痛風の発作だ。
痛風は体の中の尿酸が増え、手足の関節や周辺の組織に尿酸結晶が沈着して痛みを引き起こす病気だ。
繰り返し起こる手足の関節炎が主な症状だが、皮下組織に結節や尿路結石を起こすこともある。
四十代の男性に多い。やや太っている精力的な人によくみられ、家系内に痛風患者がいることも多く遺伝的素因があると考えられている。発作的な激痛がない場合は関節リウマチ、変形性関節症などと区別が必要。潰瘍(かいよう)化した巨大な痛風結節は悪性の腫瘍と間違いやすい。発作時には消炎鎮痛剤で疼痛を抑える。肉などプリン体を多く含む食べ物を制限すべきだといわれていたが、現在では必ずしも重要でない。しかし、日常生活で暴飲暴食を慎み、適度の運動を心がけるのが肝要だ。
尿酸値を定期的に検査し、必要ならば尿酸をコントロールする薬を服用する。水分を多めに取り尿をアルカリ性に保つと結石の防止に役立つ。
風があたるだけでも痛みが増す痛風はうまい病名だ。的を射た目標に向かって的確判断で仕事をしたいものだ。