▶呼吸機能検査
七十歳の男性が、この五十年間、毎日たばこ一箱吸っています。約半年前からせきとたんが統くので内科を受診すると、肺がんではないが、呼吸機能検査を受けるように指示されました。
たばこの健康被害としては肺がんが有名です。しかし、肺がんのほかにも慢性気管支炎や肺気腫などの肺疾患、
動脈硬化症など、いろいろな病気の発症に関係しています。喫煙者本人だけでなく、周囲の人にも迷惑をかけることになります。慢性気管支炎や肺気腫などの肺疾患になると、空気を思いっきり吸った後、勢いよくはき出せなくなってきます。このような状態を慢性閉塞(へいそく)性肺疾患と総称します。
主な呼吸機能検査に、肺活量と一秒率があります。
肺活量は、思いっきり空気を吸った後で思いっきりはき出し、全体の呼吸できる容量を測定します。肺線維症などでこの値は低下します。
一秒率は、空気を思いっきりはき出すうち、最初の一秒間に出す容量を肺活量で割り算したものです。慢性閉塞性肺疾患で低下するのが特徴です。
男性は、おそらく慢性閉塞性肺疾患が疑われるため、呼吸機能検査を受けるように指示されたものと思います。とにかく禁煙を励行して下さい。
胸部レントゲンも有用です。