ホルモンは老化防止の要
ホルモンはギリシャ語の「刺激する」「呼び覚ます」という意味の言葉が語源で、色々な刺激により分泌される体内物質である。発生や成長、生殖のほか、生体の恒常性維持に重要な働きをする。脊椎(せきつい)動物では、その種類はほぼ共通しており、色々なホルモンが必要に応じて適量分泌され、生命活動をうまくコントロールしている。
年を取るにつれて、分泌量が変わる。変化が急だったり大きかったりすると、体は不調となり様々な定状が出る。
長年の生活で多くの活性酸素が生じたり、内分泌かく乱物質(環境ホルモン)が体内に入り込んだりする結果、ホルモンの分泌は異常をきたす。女性ホルモンや男性ホルモン、成長ホルモン、メラトニンなどのホルモンは加齢とともにその分泌量は減る。
閉経後、女性ホルモンは急繳に減少するため、女性の更年期障害は自覚しやすい。しかし、男性も年とともに男性ホルモンの分泌量が減り、いわゆる男性更年期障害になる。成長ホルモンなどとともにその変化が緩やかで、自覚しにくい場合が多い。
これらのホルモンの低下は、生活習慣病の発生を促進し、老化を早める原因の一つとなる。筋肉量や骨量の減少、意欲の低下などが出始めたら、運動や生活習慣、食事などを見直して、ホルモンの低下を防ぐようにしよう。
(京都府立医科大学大学院教
吉川 敏一)