過剰分で糖尿病・多毛に
甲状腺刺激ホルモンのほかにも、脳にある下垂体から分泌されるホルモンはありますか?
下垂体は前葉という部分から甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、成長ホルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体化ホルモン、乳汁分泌ホルモン(プロラクチン)などを、後葉の部分からはバンプレシン、オキシトシンを分泌します。
ACTHは副腎皮質という内分泌臓器のホルモン分泌を制御します。副腎皮質からは、糖質の代謝に重要な糖質コルチコイド、ナトリウムの再吸収に重要な働きをする鉱質コルチコイドなどが分泌され、これらは生命の維持にきわめて重要な役目を担っています。
そこで、副腎皮質ホルモンに対しても、甲状腺ホルモンと同じように、下垂体から分泌されるホルモンが巧妙に分泌を刺激しているのです。
副腎皮質ホルモンが過剰になる病気に、クッシング症候群というのがあります。これは、糖尿、高血圧、多毛、肥満などが現れるものです。この病態には、副腎皮質自体の病気が原因で副腎皮質ホルモンが過剰になる場合と、下垂体に腫瘍などがあってACTHが過剰になって副腎皮質を刺激するために起こるものがあります。
これらは治療法が異なりますが、詳しい検査をすれば区別は可能です。