女性はなぜ長生きするのか。
諸説あるものの、まだよくわかっていない。
どの国でも出生する女性百人に対し男性が百ニー百七人の範囲という。男性は乳幼児の死亡率が高いことや、事故等で死亡する確率が高いので男児の出生率が高くなっている。この現象が人口のバランスを保つ自然の摂理だとすれば、自然界はうまくできていると感心せざるを得ない。
死亡率はどの年齢層でも男性が女性を上回る。特に二十歳代、六十歳代の死亡率が高い。二十歳代の死亡率が高いのは若者特有の生活様式の差に基づくものと推測され、事故などが要因と考えられる。
一方、中年以降の高い死亡率は生活習慣病など慢性疾患が要因と考えられる。
寿命に関連する老化や疾病発症の性差には、遺伝的要因と環境要因、その両者の相互作用が関与するとされる。寿命に影響する男女間の様々な要因については、女性ホルモン(エストロゲン)から論じられることが多いが、X染色体、喫煙や飲酒の習慣、体脂肪分布、基礎代謝、ストレス等からも説明が試みられている。多くの要因が絡んでいるものの、寿命や様々な疾病の発を規定しているものが活性酸・フリーラジカルだとすれば、男性は酸化ストレスに強くさらされているために、寿命を短くしていると考えてもいいのかもしれない。