逆流性食道炎(GERD)は、胃酸が食道に逆流して炎症を引き起こす状態です。胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)では、この状態を直接確認することができます。
胃カメラでわかること
1. **食道の炎症**: 食道の内壁に炎症やびらんがあるかどうか確認します。
2. **逆流の跡**: 胃酸が逆流した痕跡(赤みや腫れなど)を見つけます。
3. **ヘルニアの存在**: 横隔膜ヘルニア(胃の一部が食道に押し上げられる状態)があるかどうかも確認できます。
逆流性食道炎の対策
生活習慣の改善
1. **食事の改善**:
– 脂肪分の多い食事を控える。
– チョコレート、コーヒー、アルコール、炭酸飲料などの刺激物を避ける。
– 食事後すぐに横になるのを避け、食後2-3時間は立っているか座っているようにする。
2. **食事量と頻度**:
– 一度に大量の食事を取らない。
– 少量の食事を頻繁に取る。
3. **体重管理**:
– 肥満は逆流を悪化させるため、適正体重を維持する。
4. **寝る姿勢の工夫**:
– ベッドの頭側を高くして、逆流を防ぐ。
– 左向きに寝ると逆流が減ると言われています。
薬物療法
1. **プロトンポンプ阻害薬(PPI)**:
– 胃酸の分泌を強力に抑える薬です。ランソプラゾール、オメプラゾールなどが代表的です。
2. **ヒスタミンH2受容体拮抗薬**:
– 胃酸の分泌を抑える薬ですが、PPIよりも効果はやや弱いです。ファモチジンなどがあります。
3. **制酸剤**:
– 胃酸を中和する薬で、即効性がありますが、効果は一時的です。
医師の指導を受ける
逆流性食道炎の治療は個々の症状や原因によって異なりますので、自己判断せずに医師の指導を受けることが重要です。