▶CA19-9
陽性なら膵臓がんの可能性も
聞かれること:膵臓(すいぞう)がんは診断が難しいと聞きました。血液検査で分かる方法はないのですか。
膵臓は胃と小腸の背中側にある臓器で、アミラーゼなどの消化酵素を産生して消化を助ける作用をしています。また、ブドゥ糖の代謝に重要なインスリンを分泌し、血糖値の調節もしています。
膵臓に炎症やがんが発生して機能が障害されると、消化不良や下痢を起こし、腹痛を感じます。
しかし、これらの症状は胃炎や腸炎など他の消化器の病気でも起こり、膵臓がんだとしても発見が遅れがちになることがあります。
膵臓がんかどうかを診断するには、内視鏡検査やCT検査、磁気共鳴画像装置(MRI)検査などが行われます。これらの検査を受ける前に発見するのは難しいのですが、CA19-9とよばれる腫瘍マーカーが診断のきっかけになり、がんの広がりを推測できることもあります。この意味では、CA19-9は膵臓がんの診断に有用です。
ただし、膵臓がんでもCA19ー9が陽性にならないこともあります。また、膵臓がん以外の胆道がん、卵巣がん、肺がんなどで陽性になることもあります。さらに、胆石症、胆管炎、卵巣嚢(のう)腫、気管支嚢胞、気管支拡張症などがんでない疾病で陽性になることもあります。
CA19ー9の解釈にも注意が必要です。
膵癌発見は難しいです。