腹部触診(ふくぶしょくしん)は、診察において重要な診察技法の一つです。以下にその意義を説明します:
1. **異常の検出**:
– 腹部触診により、腫瘍、腫大した臓器、膿瘍、腸閉塞などの異常を発見できます。
2. **痛みの評価**:
– 患者の腹痛の部位や性質を特定するのに役立ちます。痛みの部位や強さ、反跳痛などを確認することで、原因となる疾患の絞り込みができます。
3. **臓器の状態確認**:
– 肝臓、脾臓、腎臓、膀胱などの臓器の大きさや形状、硬さを評価できます。これにより、臓器の腫大や異常が検出できます。
4. **腹水の評価**:
– 腹水の有無やその程度を確認するために行われます。腹水は、肝硬変や心不全などの病態で見られることがあります。
5. **動脈瘤の検出**:
– 腹部大動脈瘤などの血管の異常を確認できます。大動脈瘤は破裂のリスクがあるため、早期発見が可能。
6. **ガスの評価**:
– 腸内のガスの量や位置を確認することで、腸閉塞や麻痺性イレウスの診断に役立ちます 。
腹部触診は、医師が患者の腹部の問題を迅速に評価するための基本的かつ重要な手段であり、多くの病態の早期発見に貢献します。